代表理事よりご挨拶

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中野孝昭
(一般社団法人臨床心理iネット代表理事)

「障害の治療」から「困難の解決」に向けて

一般社団法人「臨床心理iネット」は、発達障害に関連する問題の解決支援のために東京発達・家族相談センターを開設しました。それは、発達障害の支援は、従来の医学モデルでは対応できないと考えたからです。

もちろん、発達障害の素因としては、体質等の生物学的側面が問題生起に関わっているということはあるでしょう。しかし、発達過程において社会的な環境との間で問題を悪化させ、2次障害を引き起こす悪循環が生じていることがほとんどです。つまり、発達障害の問題は、治療の対象となる障害(Disability)ではなく、社会への適応の困難(Difficulty)と考え、ご家族と一緒にその困難の解決を目指したいと考えました。

特に発達障害を抱える方は、能力に関して個性的な凸凹があります。そのため、効率化を重視し、多様性を認めない日本社会においては、排除される傾向が強くなります。それが、いじめ等にもつながり、2次的、3次的問題の要因になります。そこで、臨床心理iネットでは、発達障害ご本人と社会の間にあって、ご本人とともに心理的な苦悩を抱えておられるご家族をサポートし、問題の解決を目指すことを目的として、臨床相談部門を新設し、そこに東京発達・家族相談センターを設置することにしました。

幸い、発達障害の支援のプログラムを開発している東京大学の下山晴彦教授に臨床心理士代表としてご協力をいいただき、発達障害の当事者の方だけでなく、ご家族の支援も含めた多様なプログラムをご用意することができました。多くの方にご利用いただければと思っております。

臨床心理士代表のご挨拶

下山晴彦
  (東京大学名誉教授、跡見学園女子大心理学部教授)

的確なアセスメントに基づく支援に向けて

2015年9月に公認心理師法が国会で成立し、心理職の国家資格化が実現しました。それは、心理職が、国民のニーズに応える社会的責任を果たすことが義務付けられ、自らの活動についての説明責任を負うことになったこと意味します。そして、今、問題解決に向けて社会的ニーズの高いテーマとして、発達障害支援があります。

我が国の発達障害の理解と支援は、なかなか医学治療モデルから抜け出せずにいます。生活支援モデルでは、器質的要因による機能障害(Disability)があるとしても、それを疾患(Disease)として診断・治療するのではなく、社会参加の困難(Difficulty)とみて、心理支援や環境提供をすることが課題となります。どのような要因による機能障害が生じているのかを適切に評価し、その機能を補償する支援をすることが求められます。それは、まさに心理職の仕事なのです。

この点に関して一般社団法人「臨床心理iネット」の中野孝昭代表理事から、発達障害支援のためのセンターを開設したいので参加してほしいとの依頼を受けました。生活支援モデルに基づく心理支援の必要性ということで問題意識を共有できたので、お手伝いをさせていただくことにしました。話し合いの結果、最新のアセスメントツールを用いて、社会的機能の発達がどのような点で障害されているのかを的確に評価し、ご家族と協力して発達を支援する環境を整えることを新センターの基本方針としました。

発達障害は、生物、心理、社会的な要因が複雑に重なりあって生じてきているものであり、診断は容易にできるものではありません。きめ細やかなアセスメントによる評価が必要とされます。的確なアセスメントによる障害の特徴理解があって、適切な支援方針が定まります。本センターは、このような考え方に基づいて最新のアセスメントツールを用いて問題を理解し、ご家族とともに問題解決を目指すプログラムを提供しております。ぜひ多くの方にご利用いただければと願っております。

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