「自分の意見を言うのが苦手な子」との関わり方

「自分の意見を言うのが苦手な子」と、どう接していいのかわからない。そのようなお悩みを抱えた親御さんは多くいらっしゃるのではないかと思います。

例えば、「お子さんが学校で友達と仲良くできていないようだけれど、本人はそのことについて何もしゃべろうとしない。だから、どう思っているのかがわからない」といったお悩みは、決して珍しくありません。

そして、「自分の意見を言うのが苦手な子」と接するときは、親御さんが以下のようなジレンマを感じることが多いのではないかと思います。

・ 子どもが自分の意見を言わないから、親の方から「もっと自分から友達と話しなさい」といった「指示」をしたくなる
・ でも、「指示ばかりしていると、子どもが自信をなくし、親の指示を待つばかりになるのでは」と不安になる

何も言わずに見守るだけでは心配だけれど、指示をしすぎることも心配、というジレンマです。  

そのようなときの工夫として、「お子さんにいくらかの『選択肢』を示して、その中から本人に選んでもらう」という接し方もあります。例えば、所属している部活でなかなか友達が作れないお子さんに対して、「①話し方の練習をする」「②顧問の先生に相談する」「③無理せず部活をやめる」といった選択肢を親御さんが示し、何を選ぶかは本人に任せる、といった工夫をするわけです。

自発的に意見を言うのが難しくても、「自分で選べた」という手ごたえによって、お子さんが少しずつ自信を高めていく場合もあります。なお当センターでは、そのような手ごたえをつかんでいくためのお手伝いも実施しております。お困りの際はどうぞお電話下さいませ。

※本エッセイは継続的に更新されます。毎回、発達障害やそれに関連するお悩みをテーマとし、そのお悩みの理由や対処法を考える上で役立つ知識・考え方などをご紹介いたします。