心配事に優先順位をつける

「様々な事柄が一気に頭に浮かぶ」という傾向のある方は珍しくありません。その特徴は、「様々なアイデアがスムーズに思いつく」といった形で活かされる場合も多いかと思います。

一方、その特徴が一つの原因となって、「先のことをあれこれと考えすぎ、人一倍強い不安を感じてしまう」という場合もあるかもしれません。言いかえると、一度に多くの心配事を頭に浮かべることが「できてしまう」ために、強いストレスを感じる場合もある、ということです。

しかし心配事の中には、「放っておいても実はあまり実害がないこと」もあり得ます。

例えばお仕事に関して、「自分はうっかりしやすい。打ち合わせの予定を忘れたらどうしよう。メールは誤字のないよう慎重に書かないと。今度の飲み会ではちゃんと気配りしなきゃ」といった複数の不安を感じている際、それらを一気に解決しようとすると疲れ果ててしまうかもしれません。そこで、心配事の中にある「ある程度放っておいて良いこと」を割り出すのが重要となります。

「打ち合わせの予定」は忘れると業務に支障が出るため、予定をリマインダに書き込むなどの対処が重要かと思います。しかし、それに比べると「メールの誤字」や「飲み会での気配り」はどうでしょう。部分的な誤字があったり、飲み会で気の利いたことが言えなかったりしても、周りの人がそれだけでとても不快に思うことは少ないのではないかと思われます。

つまり、心配事が多すぎて苦しく感じる際は、それらの「優先順位づけ」が重要になるということです。

なお、優先順位づけが難しく感じられる際、人と相談しながら行うとやりやすくなる場合もあります。当センターではそのようなご相談も承っております。お困りの際はどうぞお電話下さいませ。

※ 本エッセイは継続的に更新されます。毎回、発達障害やそれに関連するお悩みをテーマとし、そのお悩みの理由や対処法を考える上で役立つ知識・考え方などをご紹介いたします。