「子どもが言うことを聞いてくれない」というお悩みを抱えた親御さんは、大勢いらっしゃるかと思います。そして、親や先生の言うことを聞いてくれないお子さんのことを、「ワガママな子だ」と感じてしまう場合もあるかもしれません。
その際は、「不完全でも、お子さんが部分的に実践できていること」を言葉にして伝えることが重要です。以下の例のように、「それをもっとしてくれると嬉しい」という思いを伝えるわけです。
例:・子どもがオモチャなどを床に置きっぱなしにして、片付けを親任せにする
・しかし、親の帰宅が遅い日は、自分でオモチャなどを棚にしまう
→そのとき「今日は自分で物を棚に片付けることができたね」と伝える
そして、このように「実践できていることをほめて、それをもっとしてもらうよう促す」ためには、お子さんの「行動」に注目することが重要です。
これは言いかえると、「うちの子は“ワガママだ”」といった「性格の評価」をするのではなく、「うちの子は“親が近くにいるときは物を床に置きっぱなしにする”“親が近くにいないときは自分から物を棚にしまう”」といった「具体的な行動の観察」をする、ということです。
お子さんの性格が気になるのは親として当然の気持ちかと思います。しかし、「うちの子はワガママだから……」というイメージが強まりすぎると、その先入観によって「その子が頑張れていること」を見落とす場合もあります。だからこそ「行動」に注目し、「ワガママなようでいて、実は○○はできている」という発見をしやすくすることが重要と考えられます。
なお当センターでは、上記のような「子どもを観察するときのポイント」に関するアドバイスなども実施しております。お困りの際はどうぞお電話下さいませ。
※ 本エッセイは継続的に更新されます。毎回、発達障害やそれに関連するお悩みをテーマとし、そのお悩みの理由や対処法を考える上で役立つ知識・考え方などをご紹介いたします。