他人の気持ちを「論理的に」教えてもらう

「他人の気持ちを想像することが苦手」という人は、決して珍しくありません。しかし、他人の気持ちを想像しやすくするための工夫としてできることも、たくさんあります。その中の一つは、「他人の気持ちについて“論理的に”教えてもらう」ということです。

例として、「友達と話すときに、自分の話したいことばかりしゃべって、みんなを困らせてしまう」という子どもについて考えてみましょう。

みんながテレビ番組の話をしている中、それをさえぎって、自分の好きなゲームの話ばかりしてしまう。そのような子は、「周りの子は話をさえぎられてイライラしている」ということを想像するのが苦手かもしれません。

周りの大人はその子に対して、「人の気持ちを考えなさい」といった指導をしたくなるかもしれません。しかし、「気持ちを考えよう」というアドバイスは、かなり曖昧なものです。それよりも、以下のような「論理的説明」の方がピンと来やすい、という場合が多いです。

◎論理的説明の例
・ 「たいていの人は、話をしているときに急に話題を変えられると、イライラしてしまう」
・ 「それは、その人が“今はこの話がしたいのに”と思っているから」
・ 「そして相手をイライラさせると、“一緒に話そう”と思ってくれなくなるかもしれない」
・ 「そうなると、君自身が嫌な気持ちになる」

ポイントは、「どんな行動をすると、相手がどんな気持ちになってしまうか」と、「その結果として、自分自身がどんな気持ちになってしまうか」を、丁寧に伝えることです。

なお当センターでは、お子さんに対する上記のような指導についての、より詳しいアドバイスなども実施しております。お困りの際はどうぞお電話下さいませ。

※ 本エッセイは継続的に更新されます。毎回、発達障害やそれに関連するお悩みをテーマとし、そのお悩みの理由や対処法を考える上で役立つ知識・考え方などをご紹介いたします。