考えが「浮かびすぎる」という困難

自分の考えをわかりやすく話すためには、「余計な事柄を話しすぎないこと」が重要です。余計な事柄を話しすぎると、「要するに何が言いたいのか」が相手に伝わりにくくなるからです。

例えば、「“宿題の量が多すぎるので少し減らしてほしい”という希望を、家庭教師の先生に言おうとしている高校生」を想像してみて下さい。その生徒が「この科目では○○が難しくて、あの科目では△△が難しくて……」と、思いつく不満をすべて言っていたら、相手は「結局何が言いたいのだろう?」と戸惑ってしまいます。

ですので、頭に浮かんでいる事柄を「全部は言わないこと」も、スムーズな会話のために必要となるわけです。

しかし、「頭の中に様々な考えが人一倍たくさん浮かぶため、それらをどんどん言ってしまいがち」という特徴を持つ人は、決して珍しくありません。そのように、自動的に多くの考えが浮かびがち/その考えをしゃべりがちだという人は、割と大勢いらっしゃるのではないかと思います。

そのような「しゃべりすぎ」が起こりやすい場合、まずは「自分の特徴に気づくこと」が重要です。つまり、「自分には“考えが浮かびすぎるところ”がないか?」と振り返ることが重要なのです。というのも、「そのような特徴があること自体に気づけていないから、そもそも“しゃべりすぎないようにしよう”と思えていない」という場合もあるからです。

そして自分の特徴は案外、自分一人では気づきにくいものです。このため、場合によっては、信頼できる人と相談しながら特徴の振り返りを行うことも効果的な対処法となります。

なお当センターでは、「上記のような特徴がどの程度ありそうか」について振り返るための検査なども実施しております。お困りの際はどうぞお電話下さいませ。

※ 本エッセイは継続的に更新されます。毎回、発達障害やそれに関連するお悩みをテーマとし、そのお悩みの理由や対処法を考える上で役立つ知識・考え方などをご紹介いたします。