頭の中に様々な考えが浮かぶけれど、それらの考えを「まとめる」のは苦手。そのようなお悩みを抱えた方は、珍しくありません。
例えば、上司に「最近仕事が忙しすぎて困っている」という相談をしようとしている会社員の人が、上記のような苦手さを持っていたとします。その人が相談をするとき、頭の中では以下の①縲怫Cのような考えがどんどん広がりがちかもしれません。
①「今抱えている仕事は、○○と××と△△と□□だ」
②「○○はあまり経験したことがないから特に難しい」
③「○○による残業もかなり増えている」
④「そういえば○○のプレッシャーからか最近あまりよく眠れない」……
このように①→②→③→④と考えが広がる一方で、「①縲怫Cを“同時に”意識すること」は難しい、という場合は割とよくあります。言いかえると、「①について考えているときは①だけに集中してしまう」「②について考えているときは②だけに集中してしまう」……「その結果、①縲怫Cの内容を適度にまとめることが難しい」ということです。
この「考えがたくさん浮かぶが、それらを同時には意識しにくい」という特徴により、①→②→③→④の内容を「思いついた順にひたすら話すだけ」になり、相手から「話がまとまっていない」と思われてしまうこともありえます。
ですので、「話をまとめるのが苦手で、ついしゃべりすぎる」というお悩みを抱えた方は、上記のような特徴が自分にもないかと振り返ってみることが重要です。自分の特徴に気づくことで、「その特徴が強く出過ぎないようにしよう」という意識もしやすくなるためです。
なお当センターでは、このような「しゃべりすぎ」などに関するご相談も承っております。お困りの際はどうぞお電話下さいませ。
※ 本エッセイは継続的に更新されます。毎回、発達障害やそれに関連するお悩みをテーマとし、そのお悩みの理由や対処法を考える上で役立つ知識・考え方などをご紹介いたします。