前回、「自分の能力を理解する能力」が重要だ、という話をしました。(https://tokyocare.jp/?p=2055)。「自分には何がどのくらいできるのか」を理解していないと、失敗をしやすくなる、という話でした。
今回は、「自分の能力を正確に理解するために、何をするべきか」についてまとめます。
「自分の能力の理解」は、次の①②③を繰り返すことで深まる場合が多いです。
①「今の自分には何がどのくらいできるか」を予想する
②「できる」と予想したことを、試しにやってみる
③やってみて、「実際はどのくらいできたか」を振り返る
つまり、「自分には何がどのくらいできるのか」を頭で考えるだけではなく、実際に能力を試してみることが重要です。
さらに、「試すだけで終わり」ではなく、「どのくらいできたのかを振り返ること(上記③)」がとても重要です。「○○くらいはできると思っていたけれど、実際は△△しかできなかった。自分の今の能力は、どうやらまだ△△のレベルらしい」といった振り返りを行うことで、自分の能力が正確にわかるようになっていくわけです。
ただ、このような振り返りが苦手だという人は珍しくありません。例えば、「振り返ること」よりも「思いつくままに行動すること」を優先させすぎる人は珍しくありません。
そのような人が、
「難しすぎることにチャレンジする→失敗する→振り返りをしない→“自分の能力がどの程度なのか”に気づけない→だからまた難しすぎることにチャレンジする→失敗する→……」
というパターンにおちいることは多いです。
このため、「自分の能力がよくわからない」という人は、定期的に「振り返るための時間」をとることが重要です。それを一人で行うのが難しい場合、定期的にどこかの相談機関に通って(例えば大学生なら学生相談室に通うなど)、相談相手と一緒に振り返りをしてもいいかもしれません。
もちろん当センターでも、ご希望に応じてそのような振り返りも行なっております。お困りの際はどうぞお電話下さいませ。
※ 本エッセイは継続的に更新されます。毎回、発達障害やそれに関連するお悩みをテーマとし、そのお悩みの理由や対処法を考える上で役立つ知識・考え方などをご紹介いたします。