「相手の気持ち」以前に、「自分の気持ち」がわかりますか?

前回のエッセイでご紹介した「自閉症スペクトラム障害」の特徴として、よく「他者の気持ちを想像するのが苦手」と説明されます。しかし近年の研究では、この障害を持つ人が「自分の気持ちに気づくこと」もかなり苦手とする傾向にあると報告されています。

親や先生に「相手の気持ちを考えよう」と言われて育ってきた、という方は、大勢いらっしゃるのではないかと思います。

相手の気持ちを考え、相手が嫌がることはしない。それは確かに大切なことです。

でも私たちは、「相手の気持ち」以前に、「自分の気持ち」がどのくらいわかっているでしょうか。

本当は怒っている、本当は悲しんでいるのに、自分がそのような気持ちになっていると気づけないときもあります。自分の怒りや悲しみを認めたくなかったり、周りに気をつかって知らず知らず感情を押し殺したりと、「気づけない理由」は様々ですが、自分の気持ちをほったらかしにするのは決して珍しいことではありません。

でも、自分の気持ちに気づけないままでいると、大きなトラブルに直面することもあります。

例えば、「ストレスが溜まっていること」に気づいて、意識的に休憩を取らなければ、ある日突然体を壊したりします。

「相手にいらだっていること」に気づいて、自分の不満も適度に伝えなければ、ある日突然怒りが爆発して相手を困惑させたりします。

自分の気持ちを無視しすぎると、結局、他人も大切にできないのかもしれません。

なんとなくモヤモヤする、けれどその理由がわからない。そのような困難は誰にでも起こりうるものです。そして、自閉症スペクトラム障害の傾向があると、とりわけそれが起こりやすいと考えられています。このため適度なストレスの解消が上手くいかないことも多いかもしれません。

自分の気持ちを知るのは案外難しいのだと思います。もっと言えば、「自分の気持ちがわかっていない、と自覚すること」自体が難しいのかもしれず、だからこそ時には誰かの力を借りてそれを知ることが大事であるように思います。

当センターもまた、そのような力の一つとなれるよう、各種心理検査や心理面接などを通して「生きづらさを抱える方」をサポートして参ります。お困りの際はお気軽にお電話下さいませ。


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