お子さんのやる気を高めるために

前回のエッセイ(https://tokyocare.jp/?p=885)では、「自分に向いた勉強法」を見つけることの大切さについてまとめました。

全ての子どもが「みんなと同じような方法」でうまく勉強できるわけではありません。文章よりも図を見た方がものを覚えやすい子、たくさんノートをとるより要点だけ書いた方が覚えやすい子など、向き・不向きは様々です。子どもがやる気を高めるためには、自分に向いた方法で勉強し、「これならうまくいく」という手ごたえを感じることがとても大切です。

やる気を高めるために大切なことは他にもあります。それは、その子が何かをがんばれたとき、親御さんや先生から「あなたは◯◯をがんばることができたね」と言葉で伝えてもらうことです。

これは、「何でもいいから、とにかくほめられればやる気が出る」という意味ではありません。具体的に「何を」がんばれたかを言葉にしてもらったとき、子どもの意欲は高まりやすいということです。

「応用行動分析学」という、発達障害を持つお子さんの教育などによく活用される理論があります。その理論では、子どもが「自分にとっても、周りにとっても望ましい行動」ができたとき、その「できたこと」にしっかり意識を向けられるよう促すことが重要と考えられています。

例えば、小さな子どもが自分一人で着替えをできたときは、親御さんが「自分でボタンをはめられたね」とほめるなどして、「自分のどういう行動がよかったのか」を理解してもらうことが重要です。そして、そのために大切な「ほめ方」こそ、「『何をがんばれたのか』をはっきり言葉にすること」であると考えられています。

勉強に関して言えば、机に向かっているお子さんに「えらいね」「まじめにやってるね」といったような「漠然としたほめ方」をしても、その子のやる気は高まりにくいと考えられます。

「最近、毎日漢字のドリルをやれているね」といったように、「その子のどういう行動がよかったか」を言葉にすることが大切です。それを言われることで、お子さんが「具体的に何をがんばればいいのか」を実感しやすくなるからです。

なお、当センターでも、お子さんの勉強のお悩みに特化した支援:「学習支援」を実施しております。お子さんに向いた勉強法を提案し、意欲的に学習ができるようお手伝いして参ります。

詳しくはこちらのリンクをご覧下さい。https://tokyocare.jp/?page_id=143#gakushushien

※ 本エッセイは継続的に更新されます。毎回、発達障害やそれに関連するお悩みをテーマとし、そのお悩みの理由や対処法を考える上で役立つ知識・考え方などをご紹介いたします。