お子さんをほめるのが難しいときは

日本は「ほめる文化」があまり強く根づいていないとよく言われます。親御さんがお子さんの「ほめるべきポイント」を見つけるのも、簡単なことではないかもしれません。難しく感じてしまう自分を責めずに、少しずつ「ほめる工夫」をしていくことが大切であるように思います。

 その工夫の一つとして、「子どもが何かを達成したときのみ、ほめる」というやり方を変えることが重要です。具体的には、お子さんが何かを達成した「後」にほめようとするのではなく、達成する「前」から「がんばれているね」とほめるのです。

 例えば、お子さんが先生から「毎日10分は机に向かって勉強する」という課題を出されたとします。落ち着いて机に向かうのが苦手なお子さんなら、10分きちんとやりきるのは難しいかもしれません。

 このような場合、10分やりきる「前」に「勉強をがんばれているね」などの声かけをすることが大切です。「達成に向けてがんばっているところ」をほめるわけです。5分や3分の勉強もその子の「ほめるべきポイント」である、という考え方が重要です。

 達成する前の「がんばり」をほめられると、「もっとがんばってみよう」という気持ちも高まりやすくなります。結果として3分が5分に、5分が7分に伸びる場合もあるかもしれません。ほめ方に悩む親御さんは、「お子さんが目標を達成できるかどうか」だけに注目せず、「まだ達成には至らないけれど、がんばれている部分」を探してみてはいかがでしょうか。

 なお当センターでは、上記のような「お子さんとの関わり方」についての相談もお受けしております。お困りの際はどうぞお電話下さいませ。


※ 本エッセイは継続的に更新されます。毎回、発達障害やそれに関連するお悩みをテーマとし、そのお悩みの理由や対処法を考える上で役立つ知識・考え方などをご紹介いたします。

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