小さな「できた」を積み重ねるために

前回のエッセイ(https://tokyocare.jp/?p=1002)で、「難しい課題に挑戦するときは、簡単なことから一歩ずつ取り組んでいくのが大切」という話をしました。

今回は、そのような取り組みを続けるための工夫についてまとめたいと思います。

例えば、「しばらくの間学校に行けず、勉強についていけなくなった」というお悩みを抱えた中学生がいたとします。その子は「勉強の遅れを取り戻したい」と思っています。そのために頑張り続けるには、以下のような工夫が重要です。

工夫①:「簡単で具体的な目標」を決める

「毎日とにかく勉強する」という漠然とした目標ではなく、「数学と英語のワークを毎日3ページずつ進める」といったような、簡単で具体的な目標を決めることが重要です。
ポイントは「具体的な」というところです。「3ページずつ」と具体的に狙いを定めるなどして、取り組む内容を明確に決めていきます。

工夫②:達成できなければ目標を下げる

「3ページずつ」ができなければ「1ページずつ」に減らす、といった工夫も重要です。「自分でも気づかないうちに目標を高くしすぎていた」という場合もあるためです。

工夫③:行きづまったら目標を誰かに決めてもらう

自分一人では上手く目標設定ができないとき、誰かに目標を決めてもらうことも大切です。相談できる相手から、「まずは1週間、数学だけ毎日2ページずつやってみよう」といった提案をしてもらえた方が、「やるべきことが明確になって頑張りやすい」という場合もあります。

これらの工夫をしながら、「簡単な目標を達成する→少し難しめの目標を設定する→その目標に向けて取り組む……」という流れを繰り返します。勉強量を1ページ→2ページ→3ページと増やすように、あくまで少しずつ目標を高めていくことが大切です。

当センターでも、目標設定のお手伝いも含めたサポートに努めて参ります。お困りの際はどうぞお電話下さいませ。


※ 本エッセイは継続的に更新されます。毎回、発達障害やそれに関連するお悩みをテーマとし、そのお悩みの理由や対処法を考える上で役立つ知識・考え方などをご紹介いたします。