計画の立て方を振り返る

自閉症スペクトラム障害(ASD)を持つ人の中には、「先の見通しを立てて計画的に行動すること」に苦手さを抱えた人もいます。「障害の診断はされていないけれど、自分もそれが苦手だ」と感じる人も、決して珍しくありません。

そのような場合は、まず、自分の「計画の立て方」を振り返ることが大切です。

大人も子どもも、毎日の暮らしの中で、実は多くの計画を立てています。働いている大人は、「今日はこの作業をして、次にこの作業をして、終わったら上司に報告して……」と、お仕事などの計画を立てます。子どもにしても、「放課後は◯◯くんの家に行って、ウチに帰ったら宿題をして……」と、遊びや勉強の計画を立てます。

ただ、そのような生活上の計画は、「なんとなく」立てる場合が多いかと思います。海外旅行の計画のような特別なものでない限り、「計画を立てるぞ」と意識することの方が少ないかもしれません。そして、十分に意識しなかった結果、手痛い失敗をしてしまうこともあるかと思います。

例えば、「短期間のうちに多くの仕事を詰め込む→疲れ果てて会社を休んでしまう」といった失敗は、非常にありがちです。小学生や中学生の中にも、「たくさんの宿題を一気にやろうとする→上手くいかない→あきらめる」という失敗をしてしまう子は大勢いるかと思います。

そのような失敗を防ぐためには、「まずはじっくりと計画の立て方を振り返ること」が重要となります。それをしないでいると、「上手くいかない理由がわからない」と感じがちだからです。

逆に、「自分は休憩時間を計画に組み込むのが苦手なんだな」「短期間で全部終わらせようとするからつまづくんだな」といったように、自分の計画のクセに気づくと、対処法も考えやすくなります。

当センターでは、そのような「振り返り」のお手伝いも実施しております。お困りの際はどうぞお電話下さいませ。


※ 本エッセイは継続的に更新されます。毎回、発達障害やそれに関連するお悩みをテーマとし、そのお悩みの理由や対処法を考える上で役立つ知識・考え方などをご紹介いたします。