「コミュニケーション」が難しい理由

「コミュニケーション能力」という言葉をよく聞きます。その能力が現代社会においてとても大切だ、という風潮があるからかもしれません。このために、「自分はコミュニケーションが上手くできない」とお悩みの方も多いのではないかと思います。

例えば「上司の顔色をうかがうのが苦手」「会社の飲み会で何を話していいのかわからない」など。話は大人に限らず、「友達作りが苦手」「同級生と話が合わずに孤立してしまう」といった悩みを抱えている子どももたくさんいるかと思います。

しかし、コミュニケーションは決して「できて当然のこと」ではないと思います。

むしろ、実はかなり「難しいもの」なのではないでしょうか。

なぜかというと、人は誰かと会話するとき、大抵「一度にたくさんのことを同時に考えなければならない」からです。相手の言葉だけではなく、言葉の裏側にある気持ちや、相手の表情、相手の立場など、「話しながら考えなければいけないこと」は実はたくさんあります。それら全てをきちんと考えながらコミュニケーションできる人の方が少ないかもしれません。

そして、以前のエッセイ(https://tokyocare.jp/?p=850)でご紹介した「自閉症スペクトラム障害」という発達障害を持つ人は、この「一度にたくさんの情報を同時に処理すること」が特に苦手な傾向にあると考えられています。

自閉症スペクトラム障害の特徴として、よく「コミュニケーションの苦手さ」が挙げられますが、その理由は「たくさんの情報の同時処理が苦手だから」である、という考え方もあるのです。

さらに言えば、人は「同時処理ができる人」と「できない人」にくっきり二分されるわけではありません。「同時処理がかなり苦手な人」「少し苦手な人」「ほんの少し苦手な人」……と、苦手さの「度合い」が人によって違っています。このため、「同時処理が『ほんの少し』苦手なだけなので、これまでは問題なく生活できていたけれど、対人関係の多い仕事(営業など)を始めた直後に上手くいかなくなる」といった場合もありえます。

以上のことから、「何だかコミュニケーションが上手くいかない……」とお悩みの方は、まずご自身の「同時処理の苦手さの度合い」を知ることも大切かと思います。

当センターでもそのための検査等を実施しておりますので、ご希望の方はお気軽にお電話下さいませ。


本エッセイは継続的に更新されます。毎回、発達障害やそれに関連するお悩みをテーマとし、そのお悩みの理由や対処法を考える上で役立つ知識・考え方などをご紹介いたします。

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