自己分析は一人でやらなくてもいい

勉強やお仕事、人間関係などを上手くこなしていくためには、自分の特徴を知ることが大切です。例えば、「自分は疲れやすいから、休日にはたくさん寝た方が仕事を頑張れる」といったように、自分に合った対処法を見出すことができるからです。

とはいえ、自分一人の力で自分の特徴を理解していくことは、案外難しいものです。特に、自閉症スペクトラム障害(ASD)の傾向が強いとその難しさが顕著になる、ということが、様々な文献で指摘されています。

そこで必要になってくるのが、「誰かに助言してもらうこと」ではないでしょうか。

例えばASDの方には、「自分の苦手なことがよくわからず、何度も同じ失敗を繰り返してしまう」という困難を抱える方も大勢います。一方、その方が周りの人から「あなたはここが苦手で、ここが得意なんだね」と丁寧に伝えてもらうことで、「自分はここが苦手だから、こういう工夫をすればいいんだ」といった理解が深まっていく場合も多いです。

いわゆる「自己分析」をやろうとして、一人で自分の特徴についてひたすら考えている人も大勢いるかもしれません。しかし、「誰かから言ってもらえないとわからないこと」もあって当然ではないかと思います。これは何もASDの方だけに限った話ではなく、誰でも多かれ少なかれ当てはまることではないでしょうか。何の助言ももらわずに自己分析ができる人など、存在しないと思います。

当センターも、そのような助言ができる場の一つであれるよう、自己分析のお手伝いに努めて参ります。お困りの際はどうぞお電話下さいませ。


※ 本エッセイは継続的に更新されます。毎回、発達障害やそれに関連するお悩みをテーマとし、そのお悩みの理由や対処法を考える上で役立つ知識・考え方などをご紹介いたします。