悩みを言葉にできないときは

 お仕事や勉強、人間関係の問題などで困っているときは、誰かに相談することが大切です。しかし、「自分が何に困っているのかを言葉にできない」というお悩みを抱えた方も、大勢いらっしゃるのではないかと思います。

 「なんだかモヤモヤするけれど、それをどう説明すればいいのかわからない」と悩んでしまうことは、決して珍しい話ではありません。とりわけ、自閉症スペクトラム障害(ASD)を持つ方には、その「言葉での説明」をかなり苦手とする方が多くいらっしゃると指摘されています。

 ASDを持つ方は、自分の経験した出来事を「言葉」ではなく「映像」として記憶する傾向が強いと言われています。このため、「ここ最近どんなことに困っているか」を説明しようとしても、説明する言葉が頭に浮かびにくい場合も多いと考えられています。

 ASDと診断されていなくても、「頭に映像ばかりが浮かび、言葉は浮かびにくい」という傾向を持つ方は多いのではないでしょうか。そのような方は、自分の苦しみを上手く言葉にする自信が持てず、相談をためらいがちかもしれません。

 その場合、「相談の仕方そのものについて相談すること」が大切です。最初は上手く説明できなくても良いので、まず誰かに「なんだか苦しい」と伝える。そして、その苦しさについて相談するための「言い方」を教えてもらう。「最初からスムーズに相談ができなければ」と思いつめず、まずは相談の方法を練習することが重要かと思います。

 もちろん当センターでも、「相談の仕方についての相談」もお受けしております。お困りの際はどうぞお電話下さいませ。


※ 本エッセイは継続的に更新されます。毎回、発達障害やそれに関連するお悩みをテーマとし、そのお悩みの理由や対処法を考える上で役立つ知識・考え方などをご紹介いたします。

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