対処法の数を増やす

前回のエッセイ(https://tokyocare.jp/?p=1094)では、「お仕事や勉強などでの失敗を防ぐために、計画の立て方を振り返ることが大切」という内容についてまとめました。今回はその「振り返り方」について、もう少し具体的にまとめていきたいと思います。

計画を立てることが苦手な人は、「いつも同じやり方で課題に取り組んでしまう」という場合が多いです(例えば、「宿題は締め切り直前で一気に済ませる」というやり方をいつもしてしまう、など)。当然、課題の内容によっては、それでは上手くいかない場合も多いです。

このため、「上手くいかない」と感じたら、まず「自分はいつも同じやり方で課題をこなそうとしていないか?」と自問することが重要です。

「自分はいつも同じやり方をしている」と気づくのは、案外難しいです。自閉症スペクトラム障害(ASD)の傾向が強い人は「知らず知らず一つのやり方にこだわる」という場合も多いですし、障害の診断がされていなくとも、そのように「こだわりがち」な人は珍しくないように思います。

そこで、「いつものやり方」を振り返り、「それ以外のやり方」を考えることが重要です。その際、なんとなく考えるだけではなく、いろいろなやり方を書き出してみると効果的かもしれません。言わば、様々な対処法のリストを作っていくわけです。

例えば、「勉強のやり方リスト」として、「①短期間で一気にやる」「②毎日1時間図書館で取り組む」「③早朝に取り組んで夜はすぐ寝る」などの項目を書き出します。そして、勉強を始める前にそれを見返すと、「いつものやり方を焦って選ぶ」という失敗を防ぎやすくなるかもしれません。

上手く計画を立てるためには、そのように、「対処法の数を増やしていくこと」が重要ではないでしょうか。なお、当センターでも、そのような対処法リストを作るお手伝いなどを実施しております。お困りの際はどうぞお電話下さいませ。


※ 本エッセイは継続的に更新されます。毎回、発達障害やそれに関連するお悩みをテーマとし、そのお悩みの理由や対処法を考える上で役立つ知識・考え方などをご紹介いたします。

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